任意整理をすると信用情報機関に記載される
任意整理、つまり、弁護士の介入によって、月々の返済額を見直したり、将来の利息免除の交渉などを行なう手続をすると、信用情報機関に事故情報として記載されます。記載されている期間は、新規でローンを組んだり、新たなカードを作ることや、お金を借り入れることに関して制限されます。もし、任意整理の返済期間が3年であれば、任意整理後3年で信用情報に記載され、その後5年間は事故情報が残ることになります。
その点は、信用情報機関よって異なりますので、もう少し詳しく説明していきます。
信用情報機関に載る期間
日本国内には、「株式会社シーアイシー(CIC)」、「株式会社日本信用情報機構(JICC)」、「全国銀行個人信用情報センター(KSC)」という3つの機関が存在しています。CICにはクレジット会社や信販会社の系列が主に加盟しています。
JICCには、消費者金融と中心とした貸金業者が主に加盟しています。KSCには銀行が加盟しています。ほとんどの会社が重複して信用情報機関に加盟していますので、情報のやり取りができます。
任意整理をした場合、事故情報として登録されるのはJICCだけです。CICやKSCには、任意整理をした事実そのものが記載されるということはないようです。JICCでは、弁護士から受任通知が金融業者に届いた時点で、参考欄に「債務整理」と記載されます。
期間は、記載された日から5年間です。任意整理をするという旨の通知をした時から5年が経過すると、まだ返済途中でも消えます。では、JICC以外のCICやKSCでは、どのように扱われるのでしょうか?
CICやKSCではどのように扱われるのか
CICやKSCでは、任意整理の情報は記載されないということでしたが、事故が起きた場合、どのように記載されるのでしょうか?CICでは、3ヵ月以上の遅延などの事故が起きた場合、正常の返済ルートから外れたとして「異動」と記載されます。異動として記載されると、新規でのカード発行や融資の申し込みが困難になります。
この異動情報は、その金融業者との取り引きが終了、つまり完済してから5年間残ります。次に、KSCの場合ですが、保証会社による「代位弁済」が事故情報として記載されることがあります。KSCは、銀行のカードローンを任意整理する場合、少額の不良債権に対してスケジュールの見直しや返済額の交渉に応じるようなことはせず、保証会社に代わりに残額を一括返済してもらい、後の処理をすべて保証会社に任せます。
このように保証会社に肩代わりしてもらうことを「代位弁済」といいます。代位弁済がされたということは、何らかの理由で返済を続けられななった事情があるというネガティブ情報となります。この情報は代位弁済がされた日から5年間は事故情報として残ることになります。
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