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連帯債務者とは

【知って得するマメ知識】

連帯債務者は連帯保証人ではない

連帯債務者とは、連帯保証人とよく似ているので勘違いしている人が多いのですが、保証人ではなく「債務者」です。

連帯保証人は、主債務者と「連帯して主たる債務の保証をする人」ですが、連帯債務者は主債務者と「ともに借金を返済する人」ということです。

債権者は、連帯債務者の中の1人、または数人、全員に対して返済を請求することができます。

一般的に、連帯債務は住宅ローンを組む場合によく利用されています。

これは、夫ひとりの収入だけでは希望する金額のローン審査が通らない場合、妻の収入を合算させることで希望額の審査が通りやすくなるからです。

 

離婚した場合の連帯債務者の取扱い

夫婦円満に一生を送ることができることが望ましいですが、やむを得ず離婚という選択を選ぶこともあるでしょう。

夫婦で住宅ローンの連帯債務者となっていた場合はどうなるのでしょうか。

結論からいえば、離婚したことによって連帯債務関係は逃れられません。
離婚しようが、その住宅ローンは連帯債務者である本人が借りたものだからです。もうその家には住んでいないからというような理由は通じません。

連帯債務を抜けるチャンスというのは非常に難しいのですが、ケースバイケースです。借換は新規契約のため、連帯債務を抜ける数少ないチャンスです。あとは、合意解除ぐらいでしょうか。

 

連帯債務と相続

連帯債務は相続の対象となります。

相続というと親の財産をもらえるからプラス面しか考えていない人もいますが、債務、つまり借金なども相続の対象となります。財産だけ相続して借金は相続しないというようなことはできません。

父親がAさんとともに1,000万円ずつ、計2,000万円の連帯債務を負っていたが、返済前に死亡してしまった場合、相続人である子BとCは、父親が負っていた1,000万円の連帯債務を相続することになります。

子BとCは1,000万円を按分して500万円ずつ、Aさんの連帯債務者となります。これを回避するためには、相続放棄をしなければなりません。

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「保証契約の成立の方法」

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【知って得するマメ知識】

-保証人をめぐるトラブル-

「保証契約の成立の方法」

『息子から「知り合いから100万円を借りるので保証人になってほしい」と頼まれたので、保証人になることを承諾し息子に私の実印と印鑑証明を渡しました。でも今は保証人にならなければよかったと思っています。実は私は書類に署名も印鑑も押していませんし保証について息子の知り合いと話もしていません。私は保証人として責任を負うことになるのでしょうか。』

「民法の規定」

平成16年の民法改正により、保証契約は書面でしなければ効力を生じないと規定されました(民法四四六条二項)。ですから、改正民法が施行された平成17年4月1日以降に保証人になることにしたのであれば、書面が作成されていない場合、保証契約は効力を生じないので、あなたは保証人としての責任を負わないのが原則です。
 またそれ以前に保証人になることにした場合や保証契約について書面が作成されていた場合はあなたは保証人としての責任を負うことになる恐れが高いといえます。

「保証契約は、貸主と保証人の契約」

 まず息子さんの知り合いと話をしていない点についてですが、保証契約は、貸主と保証人との間の契約で成立します。保証人と借主との間で債務を保証すると約束したとしても、貸主との間では保証契約は成立しておらず、貸主から保証人としての責任を追及されることはありません。
 しかし借主も保証人の代理人として貸主と保証契約を締結することができ、たとえ貸主と保証人が直接契約を結ばなくとも、貸主と保証人との間に保証契約が成立します。ただし借主が保証人を代理して貸主と保証契約を締結する為には、保証人が貸主に代理権を与えなければなりません。
 この代理権の授与は、借主の代理行為の前でも後でもよいのです。代理行為の前の場合は適法な代理行為ですが、後の場合は無権代理行為の追認といって、代理行為の時にさかのぼって有効になります。

「署名・押印は必要か~実印と印鑑証明を渡したことが問題となる」

 次に書類に署名もしていないし印鑑も押していないことについてですが、息子さんが知り合いからお金を借りることについて保証することを承諾して実印と印鑑証明を渡したことは、息子さんの知り合いとあなたが保証契約を締結することについて、息子さんに代理権を与えたとみられる場合が多いでしょう。
代理権を与える為には、金額、債権者、代理人を記載した委任状を作成して代理人に渡すのが最も正式な方法ですが、代理権の授与は書類による必要はなく口頭でもかまいません。委任状や実印・印鑑証明を渡したことは、代理権を与えた、与えないの争いとなったときに問題となってくるのです。今回の場合であなたが息子さんに実印と印鑑証明を渡したことは、息子さんに対して代理権を与えたということの極めて重要な証拠となるでしょう。

「連帯保証人予定者欄に氏名を記入された場合の責任」

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【知って得するマメ知識】

-保証人をめぐるトラブル-

「連帯保証人予定者欄に氏名を記入された場合の責任」

『お金に困った友人Aから、「お金を借りたいがどこかよい金融業者を知らないか」と借入先の紹介を頼まれました。そこで私は、以前借入れをしたことのあるサラ金業者NにAを紹介し、AはNから借入れをしました。とこらが、後日Aが借金を返済できなくなったところ、Nは私に、「紹介した以上は、あなたが責任をとって借金を返済してくれ」と言ってきました。Nから見せてもらったAの借用書には、連帯保証人予定者との欄があり、その欄にはなんとAが勝手に私の氏名を記載していました。このような場合、知人を紹介しただけの私が、友人の借金を返済する義務があるのでしょうか。』

 結論から言うと、あなたにはNの借金を返済する義務はありません。
保証責任は、債権者と保証人との保証契約によってはじめて生じるものであり、しかも、書面でしなければその効力を生じませんから、単に債権者に対してAを紹介したというだけであなたに保証責任が生ずることはありません。
 また、ご質問のように、借用書に連帯保証人予定者とにの欄が記載されていることがありますが、ここに署名したからといって、ただちに保証契約が成立するものではありません。ただし、このような記載が、将来保証契約を締結する旨の予約の意思表示と解釈されるおそれが全くないわけではありませんので、保証をする意思がないにであれば、このような連帯保証人予定者欄に署名すべきではありません。もっとも、ご質問の場合はAが勝手に連帯保証人予定者欄にあなたの指名を記載しており、連帯保証人予定者欄の記載は偽造されたものですから、連帯保証人予定者欄の解釈にかかわらず、あなたは原則としてその責任を負いません。

強迫を受けて保証をした場合の責任

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【知って得するマメ知識】

『私はクラブのホステスをしていますが、クラブの経営者が多額の借金をして夜逃げをしてしまいました。私はもともと保証などしていませんでしたが、経営者にお金を貸した金融業者が私の自宅に来て「貸した金の保証をしろ。しなければただじゃおかない」と凄んで来たので、私は言うことを聞かないとどんな危害を受けるか怖くなり、保証の書類に記名・捺印してしまいました。このような場合でも、私は支払わなければならないでしょうか。』

 そのときの事情にもよりますが、強迫により保証の意思表示をさせられた場合に該当する可能性が高いと思います。その場合は相手の金融業者に対し、保証の契約を取り消す旨の意思表示をして、支払いを拒否できます(民法九六条一項)。すなわち、保証の約束をさせようとするあまり危害を加えるような言動があり、それにより恐怖心が生じて約束をさせられた場合には、保証契約を取り消して責任を免れる事ができます。

「強迫が成立する場合の具体例」
 強迫が成立するかどうかは、その際の言動や状況、他に誰が立ち会っていたなどの事情により異なります。強迫した人数が多人数であり、言葉が荒く、通常なら恐怖心を起こすのが無理もないと思われるような状況があれば、認められる可能性が強くなるといえます。また、借主のクラブ経営者とあなたの関係から、通常保証をするような経済的・身分的関係にあったのかどうかも重要です。通常保証をするような関係にないのに保証をしたのであれば、それだけ恐怖心から保証をしたのだという事情が外部からも明らかになるのです。似たような事例で強迫による取り消しを認めた判例もあります。

「強迫による意思表示をしてしまった場合の対処方法」
 保証契約を取り消す際には、内容証明郵便などを利用して、相手に対して取り消しをしたことが明らかになるという証拠をとっておくほうがよいでしょう。
 なお、刑事上の脅迫罪若しくは強要罪(刑法二二二条・二二三条)にあたる可能性もありますので、掲示告訴し、相手の処罰を求めることも対抗手段として考えられますが、民法上の責任を逃れる為には必ず取り消しをしておくことが必要です。強迫されたのですから、また嫌がらせを受けるかもしれないなどと不安があるかもしれませんが、毅然とした対応を取ることが必要です。もし、不安であれば、すぐに弁護士に相談して適切な処理をしてもらうようにしましょう。

保証人と連帯保証人

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【知って得するマメ知識】

◆保証人=保証債務

 債務者が返済しない場合に、債務者に代わって返済する責任は連帯保証人と同じであるが、「まず債務者に請求してほしい」と反論し、支払いを拒否することができる点と、保証人が複数いる場合、保証人の頭数で割った範囲での責任を負うという「分別の利益」を有している。
 さらに、単なる保証人であれば、まず債務者本人に請求してくれと債権者に要求できる「催告の抗弁権」を持っているので、債権者は、債務者の本当の支払い能力を調べなければならない。また、保証人には自分で債務者の支払い能力の有無を調べる権利である「検索(けんさく)の抗弁権」も有している。
この点が、以下の連帯保証人と異なる。

◆連帯保証人=連帯保証債務

 債務者と全く同じ法律上の責任を負う保証人を連帯保証人という。保証人のような反論ができず、他に保証人がいてもその全額を返済する法律上の義務を負う。つまり、連帯保証人には、保証人の場合の「分別の利益」「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」を有しないのである。それゆえ、連帯保証人が複数いるときでも、債権者はそれぞれの連帯保証人に全額の返済を求めることができるので、連帯保証人同士が話し合って、分担して返済することができないこととなり、債権者がいきなり連帯保証人に全額返済を求めてきても、連帯保証人はこれを拒むことはできない結果となる(請求の絶対的効力)。
 債権者にとっては保証人より、連帯保証人の方が有利なので、現在では単に「保証人」といった場合、連帯保証人のことが多い。つまり連帯保証人とは、借金した本人と全く同じ法律上の責任を問われるのであり、自分が借りたと同じ程度の強い責任を負わされているのであるから、債務者本人と完全に同等の義務があるということになる。

 保証人をやめたい時は自分以外の保証人をたて、契約をやり直すしかない。仮に連帯保証人であった被相続人が死亡した場合、財産も借金も連帯保証人の立場も相続人が相続することになるので、借財(負の財産=消極財産)の方が多ければ、3ヵ月以内に相続放棄をしないかぎり、すべての責任を負うことになる。しかも、連帯保証に期限はなく、原則は一括払いであるため、相当の資産家でも窮地に追いやられる。

 また、保証人になっていれば離婚をしても責任は残るが、保証人なっていなければ夫婦というだけで配偶者の債務の法律上の責任を負うことはない。

 さらに債権者に、「保証人だから支払え」と言われても、借金自体が時効になっていることがあるが、この場合でもいったん返済してしまうと時効が主張できなくなる。

 注意しなければならないことは、債務者が自己破産してその責任を免れたとしても、連帯保証人の支払い義務は消滅しないという点である。したがって、連帯保証人がいる場合には、その人に対して、誠意をもってすべてを打ち明け、場合によっては、連帯保証人の債務整理も合わせて行う必要がある。さりとて、連帯保証人に迷惑を掛ける事ができないといって、破産の申立をしないでおれば、ますます傷口が広がって、結果的には連帯保証人に迷惑をかけることになるから、早期の自己破産が、連帯保証人の負担を軽くすることにもなるといえ、債務者本人が自己破産し、連帯保証人にも返済能力が無ければ連帯保証人も自己破産や債務整理することになる。 

保証人による返済と保証人の保護

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【知って得するマメ知識】

 

「借主の代わりに返済した保証人は借主やその家族に請求できるか」

『私は3年前、飲食店を経営する友人AがB銀行から事業資金を500万円借入れする際、Aに頼まれて保証人になりました。ところが、Aの経営する飲食店は経営不振のため閉鎖となり、Aが返せなくなったために、私がB銀行から請求されて残額の300万円を支払いました。Aは現在トラックの運転手をしていて収入があり、Aの父親は会社を経営していて生活に余裕があるようです。私はAやその父親に対してどの様な請求ができますか。』

「求償権」(借主Aに対する請求)
 主たる債務者のAの支払いができなくなってしまったわけですから、保証人のあなたが代わりにB銀行に返済することはやむを得ないことです。Aが延滞するとそれ以降、約定利息以上の率で遅延損害金が発生しますから、保証人のあなたとしては遅延損害金があまり増えてしまわないうちに返済する必要に迫られます。しかし、あなたが支払った債務は本来Aの債務です。したがって、Aとの関係ではあなたがB銀行にAの代わりに支払った(代位弁済)300万円については、あなたはAに対して返済を求めることができます。これを保証人の求償権といいます(民法四五九条一項)。

(Aの父親に対する請求)
 一方、Aの父親に対しては、父親がいくら裕福であろうとあなたが直接父親に対して請求することは法律上認められていません。Aの父親であるということだけでは、あなたが父親に求償権を行使することはできないのです。あなたとしては、他人のあなたよりも父親が保証人になるべきだったと思うでしょうが、後の祭りです。この点は、親族の情に訴えるしかないでしょう。

(借主Aに請求できる範囲)
 ところで、Aに対してどの様な請求ができるか、すなわち求償権の範囲についてですが、民法四五九条・四四二条二項により、①弁済その拠出をした額、②免責のあった日以降の法定利息、③不可避の費用その他の損害ということになっています。すなわち、①は300万円ですし、②はあなたが銀行に300万円を支払った日からAに完済してもらうまで300万円に対する年5%の割合の利息ということになります(民法四〇四条)。③については、たとえばあなたが負担させられた強制執行費用や弁済資金300万円を調達する為に別の銀行から借りる際に設定した抵当権設定費用などがあります。

保証人による返済と保証人の保護

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【知って得するマメ知識】

「保証人が保証債務を返済する際に借主に対して通知する必要があるか」
『私は、AがB銀行から100万円を借り入れることについて保証人になりましたが、Aが返済しないため、このたび、B銀行から私に対してAの代わりに支払ってほしいと言われています。私は、ある人から、保証人が弁済する前に借主に通知する義務があると聞きました。この通知義務とはどのようなものでしょうか。通知しないまま弁済すると、どのような不都合があるのでしょうか。』

「保証人は借主に通知をすることが必要」
 求償の制度については、以前ご説明しましたとおりですが、保証人が借主に代わって返済する(代位弁済)際に注意する点があります。それは、保証人は借主に対する求償の要件となる通知義務を負っていることです。
 民法四六三条と四四三条によれば、保証人であるあなたには、①債権者(B銀行)から請求を受けたことの通知義務(事前の通知)と、②代位弁済したことの通知義務(事後の通知)があります。この通知を怠ると、保証人の求償権の制限がなされることがあるので注意が必要です。
 民法は貸主に対する二重弁済の防止、抗弁権(借主が貸主に対し一定の事情を主張して、貸主の請求を拒否できる権利)不行使の防止のために、保証人が代位弁済するについて、事前と事後に借主に対する通知義務を負わせているのです。

「通知の種類」
 (事前の通知)
 貸主から請求を受けたと言う通知を借主にしないまま保証人が代位弁済したときは、もし、借主が貸主に対して抗弁権や相殺権を有していたときには、保証人は借主にその分だけ求償できなくなります(求償権の制限)。たとえば、借主AがB銀行に30万円の預金を持っており、これとB銀行に対する借金を相殺できる状態にあったとすると、あなたは事前の通知を怠って代位弁済した結果、その30万円についてはAに求償できないことになるのです。ただし、その30万円は、あなたがB銀行に請求できることになります。(民法四六三条・四四三条一項)。この事前の通知の制度は、借主の貸主に対する抗弁権の不行使を防止しようと言う制度なのです。

 (事後の通知)
 保証人が貸主に対して代位弁済したという通知を借主にしないでいたところ、借主がそれを知らないまま二重に弁済したときは、保証人は自分が弁済したことを借主に主張できなくなります(求償権の制限)。たとえば、あなたがB銀行に弁済して、その通知を怠っていたところ、さらにAがそれを知らないままB銀行に二重に弁済した場合、あなたはAに求償することができなくなるのです。
 このように、通知義務を怠ると求償権に重大な制限が加わりますから注意してください。貸主が銀行のように信頼できる機関であるときには、このような問題は生じにくいのですが、そうでないときは注意が必要です。
 なお、保証人が複数要るときは、他の保証人に対する通知も必要になります。
 

保証人による返済と保証人の保護②

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【知って得するマメ知識】

「債務の一部を返済した保証人は債権者の申し立てた競売手続に参加できるか」

『Aは自宅に抵当権を付けてB銀行から500万円を借入れ、私は保証人になっています。ところが、Aが弁済を怠り、私がB銀行に残金の半分を支払いました。B銀行は残りの債権について、抵当権に基づく競売を申し立てましたが、私もその競売代金から弁済分を回収できますか。』

「競売手続に参加すれば回収できる可能性がある」
 あなたが、Aに代わってB銀行に支払いをすれば、今度は借主であるAにその支払った分の返還を求めることができます。あなたのもつこの権利を「求償権」といいます。そして、保証人が求償権を持つに至った場合、民法はこの求償権を実のあるものとするために、貸主が持っていた抵当権などの担保権も保証人が行使できるものとしました。これを「代位」といいます。
 ただ、保証人が残金全額を支払っていれば、貸主の持っていた抵当権がそのまま保証人に移り、保証人がその抵当権を実行できる(すなわち、貸主はその抵当権を持たないということになる)ことに万台はありませんが、保証人が残金全額を支払わず、まだ借金が残っているような場合には貸主が抵当権者であることに変わりはありませんので、残金の一部を支払った保証人がその抵当権についてどの様な権利を持つことになるのかが問題となってきます。
 あなたの場合はまさに後者の場合になります。民法は、「債権の一部について代位弁済があったときは、代位者は、その弁済した価額に応じて、債権者とともにその権利を行使する」と規定しているのみで(民法五〇二条一項)、その解釈が争われてきましたが、最高裁判所は、借金の一部を支払ったに過ぎない保証人は、貸主を無視して単独で抵当権を実行することはできないし、さらに、貸主が抵当権を実行した競売の配当手続に参加することはできるが、その配当についても貸主のほうがゆうせんするとしました。
 今回はB銀行がすでに抵当権を実行しているのですから、あなたはその競売手続に参加して配当を受けることによって資金回収を図ることになります。

「競売手続への参加の方法」
 競売手続へ参加するためには、まず、①あなたがAの自宅を仮差押えするか、②あなたがAに対して裁判を起こして勝訴判決を取得するか、③あなたとAとの間で、「執行証書」を作る(民事執行法二二条五号)かのいずれかの方法を取らなければなりません。そのうえで、裁判所に対して、書面で「配当要求」(競売物件の売却代金を自分へも配当するよう求める意思表示)を行えば、あなたは競売手続へ参加することができます。ただ、最高裁判所例によれば、B銀行が配当によってその残りの資金の回収を終わり、それでも配当金に余剰があって初めてあなたのところに順番が回ってくることになります。具体的には、Aの土地建物の売却価額が、先順位の担保権によって担保されている債権額とBの残債権額の合計額(これに競売費用も加わります)を超えれば、あなたも回収の可能性があるということになります。

根保証のトラブル

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【知って得するマメ知識】

「根保証とは」
 根保証は、既にある特定の債務だけでなく、将来発生する不特定な債務も主たる債務とする保証です。根保証では、ある期間中に発生する複数の債務について保証人として弁済する責任があります。そのため、根保証人はときに当初予想していた以上の債務について弁済しなければならなくなる危険があり、通常の保証より重い責任があるといえます。

「根保証の解消」
 根保証契約の締結の際に、債権者による詐欺や強迫などの取消事由がない限り、保証人が一方的に根保証契約を解消することは出来ません。但し、一定の場合には、解約の申し入れが認められることがあります。

「根保証と相続」
 根保証人としての責任は、原則として、相続人に相続されます。但し、包括根保証の場合には、亡くなる前に既に発生している個別の保証債務は相続されますが、根保証人としての地位は相続されません。したがって、その場合、根保証人が亡くなった後に生じた主たる債務について相続人が保証債務を負担することはありません。

「貸金等の根保証契約」
 貸金債務の根保証人は、保証される債務の金額の限度である極度額を限度として、主たる債務の元本、利息、違約金、損害賠償や、保証債務についての違約金または損害賠償を、履行する責任を負います。
 根保証人は、保証期間である保証すべき主たる債務の元本が確定する元本確定期日が来たとき、または主たる債務について保証債務を負担します。
 

消費者契約法

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【知って得するマメ知識】

「消費者契約法」
 消費者契約法は、消費者と事業者との間の情報の質や量、更には交渉力に差があることから、一定の場合に消費者に取消権を認めるなどして、消費者の利益を擁護することを目的とする法律です。(同法1条)。
 この消費者契約法における「消費者」とは、事業としてまたは事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く個人で、「事業者」とは、法人その他の団体および事業としてまたは事業のために契約の当事者となる場合における個人をいいます。消費者契約法は、この消費者と事業者との間で締結される契約を「消費者契約」と定めています(同法2条)。
 したがって、事業を行っていない個人、事業を行っている個人事業者が事業と関係なく契約の当事者となる場合には、消費者契約法における消費者となります。たとえば、法人の経営者(代表取締役、取締役)や従業員が、個人として法人の負担する債務の保証人となる保証契約では、法人の経営者や従業員は、自らが事業主体となっているわけではないので、原則として、消費者となります。
 このような消費者が、事業者と保証契約を締結すれば、消費者契約法が適用される消費者契約となります。

「消費者契約法による保証契約の取消」
 消費者契約法は、消費者と事業者との間の情報の格差などが、消費者契約のトラブルの背景になっていることがあることから、消費者契約の締結にかかる意思表示の取消について、民法の詐欺・強迫の成立する要件を緩和し、さらに要件を具体化、明確化した消費者取消権を定めています(同法4条)。
 すなわち、事業者が消費者契約の締結について勧誘するに際して、①事業者の一定の行為(不実告知・1項1号、断定的判断の提供・1項2号、故意による不利益事実の不告知・2項)により、②消費者が誤認をし、③それによって消費者契約の申込またはその承諾の意思表示をしたときは、その消費者契約を取り消すことが出来ます。

「消費者取消権の問題点」
 消費者契約法による取消権の要件は、民法の詐欺・強迫の成立する要件を緩和し、具体化、明確化されており、消費者が契約から容易に離脱することができるようにされています。
 しかし、保証契約の場合には次のような問題点があります。
1.事業者(債権者)の勧誘が必要であり、保証人が主たる債務者から頼まれて保証人になったような通常の場合には適用されません。

2.消費者契約法4条2項による、事業者(債権者)が不利益事実を告げなかった場合の取消が認められるには、事業者が、故意に告げなかったことが必要です。「故意に」とは、「重要な事実が、その消費者の不利益となるものであることを承知の上で、且つその事業者がその事実を認識していないことを知りながら、あえて」と言うことです。
 したがって、債権者が、主たる債務者の信用状態を知らなかった場合には、故意がなく、取消は認められないことになります。実際には、債権者の故意の証明は困難なケースが多いとされています。

3.民法による詐欺・強迫による取消の場合、追認をすることができる時から5年間、あるいは行為のときから20年間行使しないと、取消権を行使できなくなります。(民法126条)。
 しかし消費者契約法による取消権の場合は、民法より短縮されており、追認をすることができる時から6ヶ月間、消費者契約の締結のときから5年取消権を行使しないと行使できなくなります(7条)。