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2010年4月アーカイブ

特定調停とは

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簡易裁判所に「特定調停」という制度があります。
これは2000年2月からスタートしたもので、返済に行き詰った債務者が、事業の再建や生活の立て直しを図るために、返済方法などを債権者と話し合う手続きです。
 特定調停は従来の民事調停よりも、多重債務者を自己破産させないで再起させる為の意味合いが強く、調停する相手を商工ローンだけとかクレジット・サラ金だけとか、自身である程度選ぶことが出来ます。
 実際、特定調停を申し立てる人の大半はクレジット、消費者金融、商工ローン相手で、銀行や住宅ローンは別に調停をしなくても話し合えるので除外しているケースが多いのが現実です。
 そして多くの場合、利息制限法内に引き直され、元金がその分減り、残った残債務を将来金利0%で3~5年の長期分割返済に応じてもらえます(但し商工ローンの場合は少し難航します)。
 また意外なメリットとしては、調停を申し立てたその日から調停終了期間(通常は2~3ヶ月)は、返済をストップしても、取立が一切こなくなり、精神的にも金銭的にも非常にリフレッシュできると言う利点があります。申立手続きは早ければ1~2日でできますので、お早目の申し立てをお勧めします。
 特定調停の手続きは比較的簡単に出来ます。費用も自分でやれば、相手先1社につき1,000円前後で済みますので借入数5社ある人ならば5,000円前後で収まります(借入金額により異なります)。
 裁判所というと何か怖いイメージがありますが、調停を行う「簡易裁判所(民事)」は比較的リラックスして話が出来ます。
 裁判所に通う回数は平均して月に1~2回、調停が終わるまでに計3~4回程度かと考えられます。
調停の話し合いは狭い部屋で、調停委員を介して進められます。調停で決まった内容は裁判の判決と同等の効力があります。
 調停は自己破産とは違って、言葉は乱暴ですが「借金を踏み倒す」手続きではありません。相手に損をさせずに、ちゃんと元金も利息も払って、無理のないペースで払っていくための手続きです。したがって卑屈になることはありません。ちゃんと理解して利用しましょう。
 このような手順で心身の負担を軽減された方は多数いらっしゃいます。お悩みの方はまずご検討してみて下さい。

保証人が払えなかったら⑦

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「特定調停による解決」
 特定調停の申立は、債務者等の住所地を管轄している簡易裁判所に、特定調停申立書および添付書類を提出して行います。

「手続き」
 特定調停については、「特定債務等の調整の促進の為の特定調停に関する法律」(特定調停法)が手続を定めています。

1.事前聴取等
 特定調停の申立を行うと、まず、裁判所書記官と協議して、債権者を呼び出して協議をするための第1回期日の前に、調停委員が債務者等から資産の状況や収入の状況などを聴取して、返済可能額を調査する為の期日を設けることもあります。

2.第1回調停期日
 第1回調停期日には、調停委員から、債権者らに対して、債務者の状況を説明して、返済計画等を提示し、債権者の意見を聴きます。

3.調停成立
 債権者と債務者との間で返済計画について合意が成立すれば、調停調書を作成して調停を終了します。
 合意の見込みがない場合には、調停不調として調停手続を終了します。債権者が客観的に合理的な返済計画案を受け入れず、強固に調停成立に反対する場合などには、裁判所は、調停委員らの意見を聴いた上で、調停案を提示することがあります(いわゆる17条決定。特定調停法22条、民事調停法17条)。債権者がこれに異議を述べなければ、その決定に従った合意が成立したものとみなされます。

「準備事項」

1.申立書の作成
 特定調停の申立書は、各簡易裁判所で書式を用意していますから、これを入手して作成します。

2.添付書類
 添付書類は「契約書・請求書・領収書・債権者の商業登記事項説明書・不動産登記事項説明書(所有の場合)・給与明細書・源泉徴収票」などです。このほかに債務者が特定債務者(金銭債権を負っていて支払いができない人)であることを示す資料(申立人の資産、負債などの財産の状況、申立人の職業、収入その他生活の状況を記載したものなど)を提出する必要があります。申立書に記載することもできます。

3.手続費用(一般例)
 印紙      債権者1社あたり   500円
 郵便切手  債権者1社の場合 1450円
              〃 2社 〃    1700円
              〃 3社 〃    1950円
(以下債権者数に応じて決まっています。)
※ただし、裁判所によって違いますので、申立時に確認してください。 

保証人が払えなかったら⑥

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「個人再生による解決」
 個人再生手続の申立ては、債権者が居住する住所地の地方裁判所に、「個人再生手続申立書」および添付書類を提出して行います。債務者が作成した再生計画案(負債額に応じた一定の最低弁済額以上を、原則として3年で返済するという内容になります)が許可された場合には、負債の内容は再生計画に従った返済をすればよく、残額は免除されることになります。

1.申立て
 再生手続申立書、添付書類、申立てに必要な費用等を、住所地を管轄している地方裁判所に提出します。
 その後の手続の流れについては申立て日から認可・不認可決定まで約25週が通例である。

2.個人再生委員との面接
 東京地方裁判所では、裁判所は個人再生手続開始申込書を受け取った場合には、まず、個人再生委員を選任します。個人再生委員に選任された弁護士は、債務者と面談して、個人再生手続開始について、意見書を作成して裁判所に提出します。

3.個人再生手続開始決定
 裁判所は、個人再生委員の意見を参考にして、個人再生手続開始決定をします。その後、債権者の債権届出、債務者の債権認否等の手続きを経て債権額を確定した後、債務者が再生計画案を作成して裁判所に提出します。

4.再生計画認可
<小規模個人再生の場合>
 裁判所、債務者が提出した再生計画案を債務者に送付し、書面による決議をとります。債権者の頭数で2分の1以上、または、債権者で2分の1超の不同意がない限り、再生計画案は可決と見なされます。
 再生計画が可決され、個人再生委員の意見を聴いて、再生計画が法定の要件(3ヶ月に1度以上の分割弁済を3年以上続ける、弁済総額が、基準となる負債の5分の1または100万円のいずれか多い額という最低弁済額以上のものであることを満たしていれば、裁判所は、再生計画を認可します。
<給与所得者等の場合>
 小規模個人再生の場合と異なり、再生計画案について、債権者の決議は必要ありません。そのため、債権者の過半数が再生計画案に同意していなくても、裁判所は、再生計画案を認可することができます。その代わり、可処分所得による最低弁済額の要件が重くなっています。
 具体的には、過去2年間の収入をベースにして、所得税、住民税、社会保険料、政令で定められた住居費などを控除して、2年間の可処分所得を算出します。そして、この可処分所得と、最低弁済額、清算価値保証を比較して最も高い金額を、原則3年間で返済する内容となります。
<住宅資金特別条項>
 住宅ローンを抱えていて、その住宅を維持したいという場合には、このオプション条項を再生計画案に盛り込むことができます。
 住宅特別条項は、住宅ローンの返済を滞ってしまった為、保証会社が銀行等の金融機関に代位弁済した後でも、遅滞を解消したうえで、従前の特定どおり住宅ローンを返済することで、住宅を維持することができます。
 その一方で、元金、利息、損害金のカットは原則として認められず、住宅ローンは全額支払う必要があります(ですから、返済期間も3年間に限定されません)。住宅資金特別条項があるからといって、他の一般債権への返済が軽減できるわけではないので、債務者にとっては、返済の負担が重い場合があります。

保証人が払えなかったら⑤

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「自己破産による解決」
 自己破産の申立ては、自分の住所地を管轄する地方裁判所に、「破産手続開始・免責許可申立書」その他必要書類を提出して行います。裁判所から破産手続開始決定を受けたあと、債権者の意見申述期間を経て、免責許可決定を得て確定すれば、破産宣告時までに負担していた債務はすべて支払いをする必要がなくなります。

「手続き」

1.破産手続開始申立て
 破産手続開始・免責許可申立書と添付書類、費用等を住所地を管轄する地方裁判所の担当係に提出します。

2.債務者審問から破産手続開始決定
 申立て後、裁判官と面接をして、財産状況や破産に至る事情、免責不許可事由にあたる事情の有無等を聞かれることになります。このとき、破産手続開始と同時に破産手続を廃止する(同時廃止)か、破産管財人を選任する(管財型手続)か、いずれの手続によるかも決めることになります。

3.同時廃止の場合
 破産手続開始決定および破産手続廃止決定後、債権者から債務者の免責について意見を聞く「意見申述期間」が1ヶ月間設けられます。
 意見申述期間経過後、免責審尋(裁判官が債務者と面談して、免責不許可事由の有無等を確認する)を行い、不許可事由がなければ免責許可決定が出ます。
 債務者に免責許可決定がなされたことが官報に公告された後、2週間が経過すれば、免責許可決定が確定し、債務者は、債務を支払う義務がなくなります。

4.管財事件の場合
 破産手続開始決定後、破産管財人に選任された弁護士が、債務者の財産を換価したり、免責不許可事由の有無を調査したりします。
 破産手続開始からおよそ2ヵ月後に、財産状況報告集会が行われ、まず、破産管財人から債務者の資産の換価状況の報告があり、債権者に配当できる財産がなければ破産手続が終了し、配当が可能であれば配当の手続が行われます。
 また、財産状況報告集会と同時に、免責審尋期日も行われます。破産管財人は、免責不許可事由の有無、裁量免責の可否などについて意見を述べます。破産管財人や債権者の意見に基づき、債務者について免責不許可事由がなければ、裁判所が、免責許可決定をします。その後は、同時廃止の場合と同様です。

保証人が払えなかったら④

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「任意整理による解決」
 任意整理による解決は、利息制限法による債務の引き直し計算に必要な書類を準備したうえで債権者との話し合いを進めていくことになります。

 「受任通知の送付」
 弁護士や司法書士が任意整理を受任すると、まず債権者宛に受任通知を郵送またはFAXにて送付し、主たる債務者と債権者との間の取引履歴の開示を請求します。
 弁護士等がこの受任通知を発送した場合の効果としては、債権者が貸金業者であれば、直接依頼した保証人等に支払い請求することができなくなります(貸金業法二十一条一項九号)。また、同じく債権者が貸金業者であれば、保証人やその代理人である弁護士等から取引履歴の開示請求を受けた場合には、原則として取引履歴を開示する義務があります。

 「債権額の確定」
 債権者から開示された取引履歴に基づき、債権額を確定します。このとき、主たる債務の特定利息が、利息制限法所定の制限利息を超過している場合には、超過部分を元本の弁済に充当することによって、引き直し計算をします。
 
 親類等の援助で、ある程度まとまった弁済資金を用意できるのであれば、その弁済資金を一部返済する代わりに債権の一部をカット等に応じてもらえるように、債権者と交渉します。
 分割弁済の場合には、保証人の毎月の収入や支出を精査して、毎月の弁済原資を確定し、この金額を上限として、債権者との間で、債権額、毎月の返済額、返済期間、などを協議します。

 合意が成立したら、債権者との間で「合意書」または「和解書」を作成し調印します。

 その後の分割弁済は、原則として、保証人本人が行うことになりますが、弁護士がこれを代行することもあります。

 「準備時効」
 任意整理をする為に、保証人の方に準備していただく事は、次のとおりです。

1.主たる債務の内容や保証債務の内容がわかる資料の用意
たとえば、債権者との間の保証契約書や債権者からの請求書など
2.債権者の名称や連絡先(住所、電話番号、FAX番号など)交渉の相手方がわかる資料を可能な範囲で用意
3.家計の毎月の収入と支出の状況を整理して正確に把握しておくこと 

保証人が払えなかったら③

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「法的整理② 個人再生」
 個人再生手続は、無担保債権5000万円以下(住宅ローンなど担保が設定されている債権を含まず)の負債を抱えていて、将来反復継続して収入を得られる見込みのある個人が、地方裁判所に申し立てて、一定の債務の免除を受け、残りを分割で返済することにして、法的に債務を整理する手続きです。
 自己破産とは異なり、債務者の財産の清算は行いませんが、債務者の将来の収入から原則として3年間弁済を行い、残債務について免除を受けることによって債務を整理するものです。
 個人再生手続には、①小規模個人再生、②給与所得者等再生、の2つの手続きがあります。また、住宅ローンを抱える個人が住宅ローンの返済を続けて自宅を維持する為の「住宅資金特別条項」というオプションも利用することができます。
 個人再生手続は、自己破産では不都合な場合、たとえば、保険外交員や警備員等破産してしまうと仕事が続けられない恐れがある場合や自宅など処分したくない財産がある場合(この場合は住宅資金特別条項を利用します)、免責不許可事由がある場合(ギャンブル、浪費、7年以内に免責を受けているなど)、債務者やその関係者に自己破産することに対して強い抵抗感がある場合、ある程度返済できるものの任意整理では債務者が確実に履行できる弁済計画ができない場合に、個人再生手続が適しています。


「法的整理③ 特定調停」
 特定調停とは、民事調停の一種で、支払い不能に陥る恐れがある人や弁済が困難な債務者(特定債務者といいます)が、簡易裁判所に申立てを行い、経済的な再生のために、債権者との間で債権の内容の変更(債権額の確定、返済方法の定め等を含みます)、担保関係の変更等について、調停(話し合い)を行う手続きです。
 特定調停では、任意整理の場合に行われる話し合いを、簡易裁判所の調停委員を介して行うことになります。任意整理とは異なり、債権者から給与の差し押さえや担保物件の競売申立て等の民事執行の申立てを受けた場合には、債務者等の申立てによってこれらの手続きを停止することができます(特定調停法七条)し、債権者が強硬に合意を拒む場合には、裁判所が調停に代わる決定(いわゆる十七条決定)をしてくれるなど、債務者の再生に有利な手続きが用意されています。
 逆に、調停が成立した後は、調停調書が確定判決と同一の効力をもちますので、合意した分割弁済を怠ってしまった場合には、直ちに給与の差し押さえ等を受けてしまう可能性があります(任意整理の場合には、その後に訴訟を提起して判決を得るなど、原則として法的手続きを取ってからでなければ、執行手続きには入れません)。ですから、特定調停における調停で、分割弁済計画を作成する場合には、今後の弁済原資が安定的に確保できるのかどうかを十分吟味する必要があるでしょう。

保証人が払えなかったら②

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「任意整理」
 任意整理とは、法的手段によらずに、債務者や保証人などと債権者との間で任意の話し合いを行い、債務の減額を受けたり、分割弁済の合意をしたりすることによって、債務を整理することです。
 債務の減額は、一括弁済をする代わりに、未払利息や遅延損害金、場合によっては残元金の一部をカットしてもらう方法です。分割弁済の場合は、債務者の毎月の収入から、必要な経費を差し引いた残額を支払原資として、これを各債権者の債権額に応じて案分して毎月の返済額を決めて、これを3年程度で分割して弁済します。
 任意整理のメリットとしては、債権者の同意が得られれば、破産などの法的手続きによらずに利息・遅延損害金の減額・免除だけでなく、残元金の一部減額を受けられる場合もあり、柔軟な解決が可能であると言う点があげられます。
 また、デメリットとしては、あくまで債務者が債権者に弁済することを前提としている為、比較的重い金銭負担が生じること、債権者が債務の減額や分割弁済に応じないこともあり、その場合訴訟などをされる危険もあることなどがあります。

「法的整理① 自己破産」
 自己破産は、債務者自らが地方裁判所に破産手続開始の申立てを行い、債務者の財産を清算して、債権者に配当し、配当できない部分の債権について支払いを免れることによって、債務を整理することです。
 自己破産のメリットとしては、債務者に清算する財産がなければ、債務者は債権者にたいして何も支払わずに債権全額の支払いを免れることができる点です。保証人が自己破産すれば、保証債務も全く支払いをしなくてもよいことになりますから、債務を整理する方法としては最も簡明といえます。
 また、デメリットとしては、職業によっては、自己破産をすることによって資格を喪失してしまう場合(保険外交員、警備員等)があり、それまでの仕事を続けれなくなることがあること、免責不許可事由(浪費やギャンブル等)がある場合には支払いを免れない場合があること、債務者の財産を全て生産することが前提となるので、原則として自宅等を処分しなければならないことがあげられます。
 なお、債務者に、清算すべき財産がある場合には、通常、破産管財人が選任され債務者の財産を換金して債権者に分配(配当)することになります。しかし、財産があれば常に破産管財人が選任されるわけではありません。①不動産を所有していてもオーバーローン状態である、②現金・預貯金が20万円以下である、③生命保険の解約返戻金が20万円以下である、などの場合は清算すべき財産がないものとして扱われます。逆に、清算すべき財産がなくても、ギャンブルや浪費等、免責不許可事由にあたる事実が存在する場合は免責について調査する為に、破産管財人が選任される場合があります。

※「法的整理②以降は次回に掲載いたします」 

 

保証人が払えなかったら

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「保証人が払えなかったらどうすればいいのか」

『知人の借金の保証人になりましたが、知人が毎月の返済を滞り、私も債権者から支払いを請求されています。しかし私には全額返済できるあてがありません。どうすればよいでしょうか。』

 保証人としては、保証債務の返済をしなければならず、全額返済できないのであれば、分割で返済したり、自己破産や民事再生などの法的手続きにより保証債務の清算をする必要があります。

「保証債務の清算の手続き」
 保証人は、主たる債務者が負担している債務と同じ責任を負っていますので、主たる債務者が返済を怠った場合には、その負担する①残元金債務、②未払利息債務、③遅延損害金債務、などを全て返済する責任があります(民法四四七条一項)。
 しかし、この責任を約束どおりに果たせない場合には、分割弁済を認めてもらって少しずつ返済をしていったり、債務の免除を受けたりする必要があります。
 このような債務の軽減、免除を受ける手段としては、①債権者との話し合いによる解決を目指す「任意整理」と、②債権者との話し合いではなく裁判所を通しての法的な手続によって解決する「法的整理」があります。法的整理には、1)自己破産と2)個人再生があります。また、簡易裁判所を利用して、債権者と話し合いをする手続として、「特定調停」があります。
 これらの手続きは、いずれも弁護士等の法的専門家の依頼することによって、よりスムーズに手続を進められるだけでなく、貸金業者等は、弁護士等から受任通知を受け取ったあとは、債務者やその関係者に対して直接請求することができなくなります(貸金業法二一条一項九号)し、利息制限法に基づいて債権額を減額することができることが多いので、返済ができないようであれば、直ちに弁護士に相談したほうがよいでしょう。

法的手続きによらず整理する「任意整理」と法的整理の「自己破産」に関しては後日詳しく掲載致します。

保証人による返済と保証人の保護

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「保証人が保証債務を返済する際に借主に対して通知する必要があるか」
『私は、AがB銀行から100万円を借り入れることについて保証人になりましたが、Aが返済しないため、このたび、B銀行から私に対してAの代わりに支払ってほしいと言われています。私は、ある人から、保証人が弁済する前に借主に通知する義務があると聞きました。この通知義務とはどのようなものでしょうか。通知しないまま弁済すると、どのような不都合があるのでしょうか。』

「保証人は借主に通知をすることが必要」
 求償の制度については、以前ご説明しましたとおりですが、保証人が借主に代わって返済する(代位弁済)際に注意する点があります。それは、保証人は借主に対する求償の要件となる通知義務を負っていることです。
 民法四六三条と四四三条によれば、保証人であるあなたには、①債権者(B銀行)から請求を受けたことの通知義務(事前の通知)と、②代位弁済したことの通知義務(事後の通知)があります。この通知を怠ると、保証人の求償権の制限がなされることがあるので注意が必要です。
 民法は貸主に対する二重弁済の防止、抗弁権(借主が貸主に対し一定の事情を主張して、貸主の請求を拒否できる権利)不行使の防止のために、保証人が代位弁済するについて、事前と事後に借主に対する通知義務を負わせているのです。

「通知の種類」
 (事前の通知)
 貸主から請求を受けたと言う通知を借主にしないまま保証人が代位弁済したときは、もし、借主が貸主に対して抗弁権や相殺権を有していたときには、保証人は借主にその分だけ求償できなくなります(求償権の制限)。たとえば、借主AがB銀行に30万円の預金を持っており、これとB銀行に対する借金を相殺できる状態にあったとすると、あなたは事前の通知を怠って代位弁済した結果、その30万円についてはAに求償できないことになるのです。ただし、その30万円は、あなたがB銀行に請求できることになります。(民法四六三条・四四三条一項)。この事前の通知の制度は、借主の貸主に対する抗弁権の不行使を防止しようと言う制度なのです。

 (事後の通知)
 保証人が貸主に対して代位弁済したという通知を借主にしないでいたところ、借主がそれを知らないまま二重に弁済したときは、保証人は自分が弁済したことを借主に主張できなくなります(求償権の制限)。たとえば、あなたがB銀行に弁済して、その通知を怠っていたところ、さらにAがそれを知らないままB銀行に二重に弁済した場合、あなたはAに求償することができなくなるのです。
 このように、通知義務を怠ると求償権に重大な制限が加わりますから注意してください。貸主が銀行のように信頼できる機関であるときには、このような問題は生じにくいのですが、そうでないときは注意が必要です。
 なお、保証人が複数要るときは、他の保証人に対する通知も必要になります。
 

保証債務の支払いをめぐるトラブル

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保証債務の支払いをめぐるトラブル

「保証債務が支払えない場合にもブラックリストに載るか」
『以前友人Aがサラ金から借入れをするに際して連帯保証人になりました。Aは借金を全く返さずに夜逃げをしてしまいました。それ以降、わたしはサラ金から督促を受けており、何とか支払いをしたいと考えてはいますが、金額が大きいので、金策するにはあと1ヶ月ほどかかってしまいます。ある知人に聞いたところ、「期限どおりに支払わないとブラックリストに載って、これから借入れができなくなる」と言われました。ブラックリストと言う言葉は聞いたことはありますが、どのようなものですか。私が期限どおりに支払わないと借入れができなくなるというのは本当ですか。』

「ブラックリストとは」
 通称「ブラックリスト」とは、個人信用情報のうち事故情報のことを言います。
 コンピューターを利用して、個人の消費者信用に関する情報(個人信用情報)を収集・保管することを業務とする団体としては、現在、主に金融機関とその関係会社を加盟店会員とする全国銀行個人信用情報センター(全銀協、KSC)、主に割賦販売等のクレジット事業を営む企業を加盟会員とする株式会社シー・アイ・シー(CIC)、主に信販会社、メーカー系、流通系・銀行カード系、金融機関、消費者金融会社を加盟会員とする株式会社シーシー・ビー(CCB)主にクレジット事業、リース事業、保証事業、貸金業等の与信事業を営む企業を加盟会員とする株式会社テラネット、主に消費者金融会社を加盟会員とする、全国信用情報センター連合会(全情連、FCBJ)があります。

「個人信用情報の収集等の目的」
 ブラックリストは、過剰貸付けや多重債務者発生の防止の観点から、金融機関が自主規制を目的として収集・管理されているものですが、いずれかの信用情報機関のブラックリストにひとたび登録されてしまいますと、それぞれの信用機関は、コンピューターのオンラインで接続され、情報の交換が可能なので、事実上、五~七年間、全ての金融機関から借金をしたり、クレジットを組むことができなくなるわけで、消費者にとっては重大な問題です。
 ブラックリストは、返済に事故があった場合に登録されるものですが、どのような場合に登録されるかについては、各情報機関によって様々で一概にはいえません。しかし、六ヶ月以上の延滞、事故破産申立て、不渡り、取引停止などがあれば、ブラックリストに載り、融資やクレジットが困難になることは間違いないと考えてよいでしょう。
 しかし、借主が借金を返さない場合にブラックリストに載ることは仕方がないにしても、保証人の場合には、保証人が借金をしたわけではないのですから、延滞したからといってすぐにブラックリストに載せることは酷であるとも考えられます。
 保証人についてブラックリスト登録するかどうかについては、各信用情報機関によって運用が異なります。
 ブラックリストに載っているかどうかについては、本人であれば、各信用情報機関の各地の支店や営業所において、情報を開示してもらうことができますし、情報登録の運用についても、教えてもらうことができますのでご確認下さい。また、改正貸金業法によって、過剰貸付けの抑制を図ることを目的として、指定信用情報機関制度がありますのでこれにより、貸金業者が個々の債務者の総借入残高を把握できるようになります。

 

保証人の相互関係

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「数人の保証人のうちに資力のない保証人がいる場合の負担割合」

『会社を経営している親友から依頼され、AがB銀行から1000万円借入れるについて、私とC・Dの三名が保証人になりました。ところが、Aが破産してしまったため、私が残金の600万円を支払いました。CとDに請求しようかと考えていたらDも破産決定を受けていたようです。Cも三分の一の200万円なら支払うと言っています。Cにそれ以上請求できないのでしょうか。』

「他の保証人が負担割合に応じて分担するのが原則」

 保証人相互間の負担割合は、平等に頭割りするのが原則です。つまり今回はあなたとC・Dで三分の一の200万円ずつ負担するのが原則です。

「複数の保証人のうち一人が破産した場合の民法の規定」
 ところが今回はDも破産決定を受けており、資力がないとのことです。このような場合にも、あなたはCに三分の一の200万円しか求償できないとすると、結局あなたが400万円、Cが200万円を負担することになってしまい、公平に反することになってしまいます。たまたま、B銀行に対して支払った保証人がDの負担分の割を食い、傍観していた保証人が得をするのはおかしな話です。
 そこで民法はこのような場合に、Dの負担分について、求償権を主張するあなたと他の資力のあるCとの間でその負担割合に応じて分担せよと定めています(民法四六五条・四四四条)。したがってあなたとCの負担割合は同じですから、本来Dが負担すべきであった200万円をあなたとCで半分ずつ(100万円ずつ)負担することになります。ですからあなたはCに対して300万円の求償権を持つことになります。

「分担を主張できない場合」
 ただし、例外的にそのような主張ができない場合があります。それはあなたに過失(落ち度)があった場合です。例えばあなたがB銀行に返済した時点で直ちにCとDに求償すればよかったのに暫く放置してしまい、その間にDが資力を失って破産決定を受けたというような場合です。特に、Cが自分の負担部分についてあなたの求償に応じ、もう終わったと思った頃になって「Dが資力を失ったからCにも負担してくれ」というのはCにとって酷であり認められません。Dに求償できるのはB銀行に支払ったあなただけであり、Cとしては自分の責任を果たしたのに、あなたのミスでDの負担部分についてさらに請求されることになってしまうからです。ですから、保証人として債権者に支払い、他の保証人に求償しようとするときは早急にその手続を講じておくことが必要です。
 またそもそもあなたとCの間で、あなたが全部を負担し、Cの負担部分はゼロとして迷惑をかけない約束があれば、Dの負担部分はあなたのみが負担し、Cに求償できないことは当然です。
 なお、本来Dだけが全部を負担し、あなたもCも負担部分はゼロという約束があったのにDが破産してしまったという場合にはあなたとCで平等にDの負担部分を負担する、つまりあなたとCで半分ずつ負担するという裁判例もあります。

保証人による返済と保証人の保護

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保証人による返済と保証人の保護

「保証人が返済した場合に借主の提供していた担保はどうなるのか」

『私はAがB銀行から500万円借りるにあたって連帯保証人になりました。それは、AがB銀行に対して、自宅の敷地と建物を抵当に入れるとのことで安心していたからです。しかしこの度AがB銀行に支払いをせず、私に督促がきたので、私の営業の関係もあり、全額を弁済することにしています。B銀行の抵当権が実行される前に私が弁済してしまうと、この抵当権の扱いはどうなるのでしょうか。』

「保証人が返済をした場合、担保権を取得できる」
 保証人が、借主のために借金の返済を行った場合には、弁済した金額を借主に対して請求できます。しかし請求できるからと言って、その裏づけとなる担保権が消滅してしまったのでは、意味がありません。その為に、保証人が借主のために貸主に弁済した場合、借主が貸主に対して提供していた担保権その他の権利が、弁済した保証人等に移転する制度があり、これを「代位」といいます。
 民法五〇〇条は「弁済をするについて正当な利益を有する者は、弁済によって当然に債権者に代位する」と規定しています。
 「弁済をするについて正当な利益を有する者」というのは、弁済をしなければ自己に請求される人や自己の権利が失われる人をいいますので、連帯保証人はこれに該当します。また、「弁済によって当然に債権者に代位する」とは、格別の通知などをしなくても、弁済したことで「当然」に代位という担保権等取得の効果が発生し、担保権を取得するという意味です。
 あなたが連帯保証人としてB銀行にAの借金の支払いをした場合には、この規定によりB銀行が持っていた抵当権が、あなたに移転されることになります。

「付記登記が必要」
 もちろん、抵当権は法務局の不動産登記簿に権利として記載されているものですから、この記載までが当然B銀行からあなたに書き換えられるわけではありません。あなたが弁済をする前に、B銀行に対して、代位の付記登記の書類を準備してもらいたいとと告げておいたほうがよいでしょう。B銀行は、全部弁済された場合には、登記に必要な書類をあなたに交付するはずですので、これをもってあなたは法務局で登記手続きをおこなうことになります。B銀行が持っていた抵当権があなたに移転したという「付記登記」という記載をすることにより、あなたが新たな抵当権者として記載されることになります。これで、万が一、Aが支払いをしてくれない場合であっても、あなたはその不動産について裁判所に競売手続を申し立て、債権回収を実現することができるでしょう。

保証人の支払いをめぐるトラブル

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貸主による不当な自力執行への対処方法

『私は友人Aがサラ金業者Bから借金する際に保証人になりましたが、Aは借金を返済しないまま行方不明になりました。その後Bから「あなたの財産を差し押さえます」と書かれた葉書が届き、翌日Bは私の家に押しかけ、家財道具を勝手に持ち出していきました。このようなことは許されないと思いますが、どの様に対処したらよいでしょうか。』

「自力執行の禁止」
 保証人は、借主が支払いをしない場合、借主に代わって借金を返済する義務があります。そこで、保証人の支払義務が裁判等で確定したにもかかわらず、その支払いを怠れば、保証人の所有する財産について強制執行がなされることなどがあります。ただし、この強制執行手続は、裁判所の関与の下に、法律で定められた手続に従ってのみ行うことができるものであり、貸主が勝手に実力を用いて債権回収を図ること(自力執行)は禁止されています。したがって、借主・保証人等が、任意に支払わない場合には、債権者は裁判手続によってのみその回収を図ることができるとされています。

「住居侵入罪・窃盗罪になる可能性がある」
 ですので、Bから「あなたの財産を差し押さえます」と言う葉書が届いたとしても、それは法律上の根拠を欠くもので、何の効力もありません。
 のみならず、Aは何ら法律上の権限がないにもかかわらず、あなたの承諾なくして、あなたの家に無断で押しかけ、家財道具を勝手に持ち出していることになりますから、住居侵入罪および窃盗罪が成立する可能性があります。

特殊な保証

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「銀行取引に関する包括根保証人はどこまで責任を負うか」

『友人が昔から商売をしていて銀行からも融資を受けており、私はその銀行取引について包括根保証人(保証期間、保証限度額いずれも無制限)となっています。保証人になってからもう20年近くになり、友人の商売のほうも最近は大規模になって銀行融資額も多額になってきているようで心配です。このまま私の責任は膨らんでいってしまうのでしょうか。』

「貸金等根保証契約と改正民法」
 まず、このような個人保証への過度の依存によって保証人にとって過酷な結果を招く場合が少なくない等の問題があったことから、平成16年の改正民法(平成17年4月1日施行)により見直しが行われました。つまり銀行融資等に関する保証(いわゆる「貸金等根保証契約」)については、極限額を定めていない個人を保証人とする保証契約は無効とされたのです(民法四六五条の二第二項)。したがって、改正民法施行後に銀行取引に関して個人が行った包括根保証は効力を有しません。
 では、今回のように、改正民法施行前に包括根保証人となっていた場合は、どのように扱われるのか。この点、改正民法施行前に締結された根保証契約には、改正民法四六五条の二第二項は適用されません。そのため、あなたが約20年前に行った根保証契約が無効になることはありません。
 しかし、極度額の定めのない既存契約をそのまま続行させておくことは、改正民法の趣旨に反することから、改正民法の施行前に締結された元本確定期日の定めのない貸金等根保証契約は、改正民法の施行日から3年を経過する日(つまり平成20年3月31日)に元本が確定することとされています(改正民法附則四条)。

「今回の場合」
 そこで、あなたの場合も、他に元本確定事由が発生していなければ、民法施行日から3年を経過する日に元本が確定したことになります。元本確定期日の到来をもって主たる債務となるべき元本が確定し、その後に生じた主たる債務の元本については責任を負わないことになります。したがって、あなたの場合、友人の銀行融資額が多額となってきているとのことですが、元本確定期日後の銀行融資については、保証責任を負いません。

保証債務の支払いをめぐるトラブル

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『私は以前にAに頼まれて保証人になりました。最近になって、初めて貸主Bから、「Aの借金の残金を払ってほしい」と請求を受けました。支払わなければいけないとは思っていますが、どこに注意したらよいでしょうか。』

 以前に頼まれたと言うことですので、かなり前であれば時効にかかって支払わなくてもよい可能性もあります。また、そもそもいくらの借金の保証人になったか、今いくらの借金が残っているのかもはっきり知る必要もあるでしょう。保証人なのか連帯保証人なのかも確認する必要があります。
 したがって、まず、あなたがいつどのような借金についてどの様な保証人になったか、また、借金の返済期限がいつで、いつ、いくら貸付がなされて、いつ、いくら返済があったのかがわかる借用書や保証契約書や入出金の明細書のコピーを貸主Bからもらってください。もし、あなたが要求してもくれない場合は、弁護士等の専門家に頼んで、代わりに要求してもらってください。

「連帯保証か単なる保証か」

 手に入れたコピーを見て、その借用書や保証契約書に、「連帯保証人」とか「連帯保証」という文字が記載されていなくて、単に「保証人」あるいは「保証」という文字が記載されているに過ぎない場合は、単純な保証をしたに過ぎませんので、あなたは「私ではなく借主Aにまず最初に請求してください」といって支払いを拒むことができます。(催告の抗弁権)

「時効消滅」


 あなたが連帯保証人であっても、借用書や入出金の明細書コピーを見て、借主Aが返済期限の日と最後に借金の一部を返済をした日のうちの遅い方の日から数えて五年以上(ただし、AもBも会社でも個人事業者でない場合は、五年以上ではなく十年以上)たっていれば、すでに時効にかかっていることになりますので、Bに時効にかかっていると言って支払いを断ることができます。それでもBが聞き入れてくれない場合は、弁護士から時効である旨の手紙を出してもらったほうがよいでしょう。

「利率」


 また時効にかかっていなくても、借用書のコピーを見て、利息の利率を確認してください。もし、Aの借入れ当初の借金額が100万円以上であった場合で利息年率が15%を超えていたり、借入れ当初の借金額が10万円以上100万円未満であった場合で利息年率が18%を超えていたりしたら、その利息の利率は利息制限法に違反する高利ですので、利息制限法一条に定める利率どおりで計算し直すことができます。そうすると、支払わなければならない借金残金の金額が、Bが請求してきた額より減ります。
 しかし、あなたが自分でその計算をするのは大変ですから、計算することや計算の結果の金額をBに確認させることは弁護士などの専門家に頼んだほうがよいでしょう。

「請求どおりに支払う場合の注意点」


 いろいろと確認してもBの請求どおりに支払わなければいけない場合は、支払う前にまずAに対しBから請求を受けた日や内容やこれからこれから払うことを知らせてください(これは「事前の通知」と呼ばれています)。支払った後も支払った日や内容を直ぐにAに知らせてください(これは「事後の通知」と呼ばれています)。知らせる方法は、口頭でなく、手紙に書いて内容証明郵便か書留郵便で行います(書留の場合は手紙を出す前にそのコピーをとっておいて下さい)。この事前の通知と事後の通知のどちらか一方でもしなかったときは、あなたがBに支払った分をAに請求しても、Aがあなたへの支払いを拒むことが認められる場合があるからです。

保証人による返済と保証人の保護②

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「債務の一部を返済した保証人は債権者の申し立てた競売手続に参加できるか」

『Aは自宅に抵当権を付けてB銀行から500万円を借入れ、私は保証人になっています。ところが、Aが弁済を怠り、私がB銀行に残金の半分を支払いました。B銀行は残りの債権について、抵当権に基づく競売を申し立てましたが、私もその競売代金から弁済分を回収できますか。』

「競売手続に参加すれば回収できる可能性がある」
 あなたが、Aに代わってB銀行に支払いをすれば、今度は借主であるAにその支払った分の返還を求めることができます。あなたのもつこの権利を「求償権」といいます。そして、保証人が求償権を持つに至った場合、民法はこの求償権を実のあるものとするために、貸主が持っていた抵当権などの担保権も保証人が行使できるものとしました。これを「代位」といいます。
 ただ、保証人が残金全額を支払っていれば、貸主の持っていた抵当権がそのまま保証人に移り、保証人がその抵当権を実行できる(すなわち、貸主はその抵当権を持たないということになる)ことに万台はありませんが、保証人が残金全額を支払わず、まだ借金が残っているような場合には貸主が抵当権者であることに変わりはありませんので、残金の一部を支払った保証人がその抵当権についてどの様な権利を持つことになるのかが問題となってきます。
 あなたの場合はまさに後者の場合になります。民法は、「債権の一部について代位弁済があったときは、代位者は、その弁済した価額に応じて、債権者とともにその権利を行使する」と規定しているのみで(民法五〇二条一項)、その解釈が争われてきましたが、最高裁判所は、借金の一部を支払ったに過ぎない保証人は、貸主を無視して単独で抵当権を実行することはできないし、さらに、貸主が抵当権を実行した競売の配当手続に参加することはできるが、その配当についても貸主のほうがゆうせんするとしました。
 今回はB銀行がすでに抵当権を実行しているのですから、あなたはその競売手続に参加して配当を受けることによって資金回収を図ることになります。

「競売手続への参加の方法」
 競売手続へ参加するためには、まず、①あなたがAの自宅を仮差押えするか、②あなたがAに対して裁判を起こして勝訴判決を取得するか、③あなたとAとの間で、「執行証書」を作る(民事執行法二二条五号)かのいずれかの方法を取らなければなりません。そのうえで、裁判所に対して、書面で「配当要求」(競売物件の売却代金を自分へも配当するよう求める意思表示)を行えば、あなたは競売手続へ参加することができます。ただ、最高裁判所例によれば、B銀行が配当によってその残りの資金の回収を終わり、それでも配当金に余剰があって初めてあなたのところに順番が回ってくることになります。具体的には、Aの土地建物の売却価額が、先順位の担保権によって担保されている債権額とBの残債権額の合計額(これに競売費用も加わります)を超えれば、あなたも回収の可能性があるということになります。

保証人による返済と保証人の保護

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「借主の代わりに返済した保証人は借主やその家族に請求できるか」

『私は3年前、飲食店を経営する友人AがB銀行から事業資金を500万円借入れする際、Aに頼まれて保証人になりました。ところが、Aの経営する飲食店は経営不振のため閉鎖となり、Aが返せなくなったために、私がB銀行から請求されて残額の300万円を支払いました。Aは現在トラックの運転手をしていて収入があり、Aの父親は会社を経営していて生活に余裕があるようです。私はAやその父親に対してどの様な請求ができますか。』

「求償権」(借主Aに対する請求)
 主たる債務者のAの支払いができなくなってしまったわけですから、保証人のあなたが代わりにB銀行に返済することはやむを得ないことです。Aが延滞するとそれ以降、約定利息以上の率で遅延損害金が発生しますから、保証人のあなたとしては遅延損害金があまり増えてしまわないうちに返済する必要に迫られます。しかし、あなたが支払った債務は本来Aの債務です。したがって、Aとの関係ではあなたがB銀行にAの代わりに支払った(代位弁済)300万円については、あなたはAに対して返済を求めることができます。これを保証人の求償権といいます(民法四五九条一項)。

(Aの父親に対する請求)
 一方、Aの父親に対しては、父親がいくら裕福であろうとあなたが直接父親に対して請求することは法律上認められていません。Aの父親であるということだけでは、あなたが父親に求償権を行使することはできないのです。あなたとしては、他人のあなたよりも父親が保証人になるべきだったと思うでしょうが、後の祭りです。この点は、親族の情に訴えるしかないでしょう。

(借主Aに請求できる範囲)
 ところで、Aに対してどの様な請求ができるか、すなわち求償権の範囲についてですが、民法四五九条・四四二条二項により、①弁済その拠出をした額、②免責のあった日以降の法定利息、③不可避の費用その他の損害ということになっています。すなわち、①は300万円ですし、②はあなたが銀行に300万円を支払った日からAに完済してもらうまで300万円に対する年5%の割合の利息ということになります(民法四〇四条)。③については、たとえばあなたが負担させられた強制執行費用や弁済資金300万円を調達する為に別の銀行から借りる際に設定した抵当権設定費用などがあります。

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